高圧力高温下で無機化合物や鉱物の相転移を解明する
無機化合物、特にケイ酸塩鉱物や関連する金属酸化物を対象として、高温高圧下における相転移や相平衡関係を明らかにする研究を行っている。さらに、それらの物質の相転移に伴う熱力学的性質の変化や新規高圧相の様々な物性を調べる研究を進めている。これらを通じて、地球深部の高温高圧下における鉱物の相転移を解明すると共に、金属酸化物の高圧下の結晶化学を系統的に明らかにすることを目的としている。
構成元素、構造、化学結合、物性の関係を明らかにし、機能性無機化合物を創製する
電子伝導性、イオン伝導性、磁性、誘電性、発光特性などの物性を示す酸化物をはじめ新規機能性無機化合物の探索・合成、構造解析、物性測定を行い、その構成元素、結晶構造、化学結合性および物性の相関を明らかにしようとしている。これらの研究によって無機材料開発における基礎を築くことを目指している。
地球と生命の歴史を最先端分析化学で読み解く
我々の住む惑星がどのようにでき、生命がどのような環境で進化してきたのかを解き明かすため、最先端の分析化学を駆使し、研究に取り組んでいる。高精度無機質量分析計を用いて、試料に保存されている同位体比のわずかな変動を検出することにより、試料ができた年代や経てきた物理化学的過程・生物活動の有無を推定することができる。また最近では、この質量分析計を用いて福島原発事故に関連する環境放射能研究にも取り組んでいる。